江戸千家
江戸千家の流祖・川上不白は、紀州新宮藩(現・和歌山県)で生まれ、その後、16歳から表千家七世家元如心斎宗匠の許で茶道の修行を積みました。32歳の時、「江戸に千家の茶を広めたい」という如心斎宗匠の想いを胸に江戸に向かい、武家社会だけでなく町人社会に茶道を広めることに成功しました。その人気は相当なものであり、また、当時の江戸という土地柄、江戸に集まる大名たちによって、江戸千家の茶道は全国各地へ広がっていきました。それから、260有余年、不白の茶の湯は江戸・東京の地で江戸千家歴代の宗匠によって守られ、伝承されてきました。現存する不白自筆の「常」茶道訓が示すように、不白の茶の湯の特徴であり不白の茶道理念の根本にあるのは、如心斎宗匠から学んだ「茶の湯は常のことなり」にも表されている「常」であり、不白はのちに禅宗の言葉「平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」という言葉を、自己の茶道理念にあてはめ、「平常心是茶」という言葉を残しています。
当代の家元は、川上閑雪(かんせつ)氏で十代目となります。
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