藪内流
藪内流(やぶのうちりゅう)は、17世紀初頭に藪中斎剣仲紹智によって創始された茶道の流派です。 千利休とは同門で相弟子となり、利休の勧めもあって、茶道とのかかわりが深く、利休にゆかりのある大徳寺で禅を学ぶために上洛します。そして剣仲は、大徳寺に近い洛北紫竹村に居を定め、利休から茶室「雲脚」を贈られています。兄弟子である千利休との絆は非常に強く、武家であり茶人でもあった古田織部の妹と剣仲との結婚の媒酌人は利休です。藪内流は、明治・大正期の近代茶道黄金時代の一翼を担い、20世紀半ば以降は海外で茶道展や茶会を開催し、茶の湯を通して、国際交流親善を行いました。
創始者である剣仲は、武家との間に強い関係を築きました。その点が反映されたのか、藪内流は所作が大振りであることなどから武家点前のようだと言われます。 藪内流では、茶法の基本として、「正直・清浄・礼和・質朴」という言葉を用いています。
現在の家元は、感謝や礼儀を重んじる燕庵14世 藪内允猶斎竹卿紹智 氏です。彼が大切にしているのは、茶の湯で養うことができる「直心の交わり」です。亭主が心を込めてお茶を差し上げ、客はその亭主の心配りに感謝しながらお茶をいただくことで生まれると言われている「直心の交わり」、つまり深い絆を築き上げることです。